ピエール・パイヤール
ブリュノ・パイヤールの本家にあたる名門RM |
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現在の当主は9代目アントワーヌ・パイヤールで、先代のブノワ・パイヤールとともにワイン造りを行っています。NMの「ブルーノ・パイヤール」は、先代ブノワの従兄弟にあたり、ブルーノがピエール・パイヤールから独立して設立されたネゴシアンです。このドメーヌでは、ブジー村に11haを所有し、年間9万本を生産していあます。35%がフランス国内向け、残り65%が輸出となっています。
パイヤール家は、18世紀中頃からブジーでブドウ栽培を開始しました。1946年からピエールが「シャンパーニュ・ピエール・パイヤール(Champagne Pierre Paillard)」名でフランス国内外の顧客を獲得。先代ブノワが世界中で知られたこのブランドの持つ伝統を守り、現当主9代目アントワーヌとともにピエール・パイヤールの現在へと続く歴史を守っているのです。ブジー村の生産者としては、シャルドネの植えつけが多いのも特徴です。ブジー村といえばピノ・ノワールのイメージが強いですが、それをきらった先代が、複雑味のあるッフレッシュでエレガントなスタイルにするためシャルドネを植樹しました。「ブジーのシャルドネがダメではないと知ってほしい」(アントワーヌ)
所有する畑は、約11haで年間の生産量は9万本です。
栽培には、厳密なリュット・レゾネを採用。下草は刈らずに残し、土中生物のバランスを守るために15年以上に渡って施肥を停止、殺虫剤と防カビ剤も使用しません。ブドウ樹の選抜には、セレクション・マサルを採用し、各区画に備わる独自性を重視するようにしています。
耕作中の畑の60%にピノ・ノワール、40%にシャルドネが植えられていて、ブジーの標準からすれば変則的な品種構成となっています。これは、このメゾンのアッサンブラージュにおいて重要な意味を持っており、複雑さとフィネスを兼ね備えるワインを造り出すには最適と考えられています。また、各区画の特徴を正確に把握するために、基本的には区画ごとにステンレスタンクで醸造を行います。近年、木樽を使った醸造も試験的に開始し、伝統を守るだけでなく常に進歩への挑戦も忘れません。また、シャンパーニュには珍しく、畑を休ませる休耕期間を3年とっているのも特徴。現在は、グランクリュの「ラ・クロワ」が休耕中です。
醸造ポリシーは、「ワインが成長するがままに任せる」と非常にシンプル。熟成はノン・ミレジメで最低3年、ミレジメで6~8年と長く、「アルコールと酸の自然なバランス」というメゾンの理想を追求しているためです。また、これによりドサージュを低く抑えることも可能となり、エレガントさとフレッシュさを持ち合わせたワインとなります。