クロード・カザルス
女性醸造家のつくる魅惑的なシャルドネ |
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クロード・カザルスは1897年に初代アーネスト・カザルスによって、メニル・シュル・オジェに設立されたファミリー経営のドメーヌです。
シャンパーニュ地方で“クロ”という呼称をつけることを公式に許されている畑で、グラン・クリュは3つのみ(!)なのだそうですが、このメゾン所有モノ・ポールのグラン・クリュ“クロ・カザルス”はその内の1つです(残り2つはクリュグ「クロ・デュ・メニル」と、フィリポナ「クロ・デ・ゴワセ」)。それはグラン・クリュの村オジェの中心にあり、本当にクロ(壁)で囲まれています。その内側にはカザルス家の邸宅もあり、それは以前国際連盟の創設者の1人レオン・ブルジョワの別荘だったという、由緒正しいものです。
現当主であり醸造家は4代目で一人娘の、デルフィーヌ・カザルス(1968年生)。ちなみに彼女の夫はオジェのフランク・ボンヴィル当主オリヴィエ・ボンヴィルです。彼女の父、故クロード・カザルスは、様々な発明をしていましたが、中でも最も有名なのはジロ・パレットを発明し特許を取得したことです。シャンパーニュの生産を飛躍的に進歩させました。
「ピュアでフルーティなシャンパーニュを造りたい」というデルフィーヌのシャンパーニュは可愛らしく非常に魅惑的で、近年様々なワインガイド誌に取り上げられ、評価と人気はますます上がっています。
「デルフィーヌのクロード・カザルス・シャンパンは、レコルタン・マニピュランのお手本のようなシャンパンで、9.3haのル・メニルの最上の畑から造られる。」
(「CHAMPAGNE」MICHAEL EDWARDS著/山本 博監修)
「カザルスはメニル・シュール・オジェにおいて驚くことなく、シャルドネの栄光に輝いた生産者である。」
(Gault Millau Les meilleurs vins de France 2009)
またこのドメーヌは、ボランジェ、ロデレールへの原酒の供給元でもあります。両社とも「自社栽培ぶどうが70%以上」という品質へのこだわりが強いメゾンです。そこに認められ卸されていることからも、カザルスの造るワインのクオリティの高さがうかがえます。
合計約9.3haの畑を所有しており、そのすべてがグラン・クリュとプルミエ・クリュのみです。グラン・クリュはオジェ、メニル・シュル・オジェ、ベルテュスの3つの村、プルミエ・クリュはヴィルヌーヴにあります。栽培方法は厳格なリュット・レゾネ。