シルヴァン・ロワシェ
約束された社長の座をなげうつ情熱 |
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ロワシェの名前はブルゴーニュでは大きな石材商の老舗として有名です。歴史的な石切場(石材採掘場)のある、コンブランシアンに本拠を構えています。
シルヴァン・ロワシェ(1983年生まれ)は誰もがうらやむ名門会社の跡取りで、おとなしい旅行好きの青年でした。「父の経営する会社を継承することが長男として当然」と疑問も持たずに家業を手伝う毎日でした。そんな時祖父ジュラール・ロワシェが所有していて、貸出契約期間を終了し戻ってくる畑がありました。小さいころに遊んだ祖父のぶどう畑での楽しい思い出がよみがえり、責任感が強く自然が大好きなこの青年は「家業を継ぐか、ワインを造るか」大いに迷いました。やがて考え抜いた末に、家業の石材商の社長は妹に譲り、自身は祖父の畑を新しいドメーヌとして再スタートさせることを決意したのです。
2004年にドメーヌを始めると決めた時からすぐに、ビオロジーの栽培が始まりました。畑の貸出先は優良な生産者ばかり(例えばアミオ・セルヴェルなど)だったので、最初からかなり良い状態の畑でスタートすることができたのは彼にとって幸運でした。当初は3.5haからのスタートでしたが、貸出契約期間の切れた畑をゆっくりと引き取り、現在では13AOC、8.5haの畑を所有し3人の同級生とワインを造っています。約束された優良企業の社長の椅子を投げうち、あえて茨の道とも言えるワイン造りに身を投じたその情熱は本物です。すでに
ワインガイド誌の評価も高く、星付きレストランや英国王室にも納品されていますが、何しろまだ若い彼のこと。そのワインへの情熱と勤勉な仕事ぶりでこれからの成長も非常に楽しみなドメーヌです。
「とにかく畑の仕事がワインの出来を決める」とシルヴァンは確信しており、畑での作業を大切にしています。所有面積は8.5haで、平均樹齢は45年。
栽培方法は2004年からビオロジーまたはビオディナミに移行しており、2011年にはすべての畑をビオロジー、またはビオディナミへの転換が完了する予定。AB認証取得。ギュイヨ・サンプル仕立て。
シャトー・ドー・ショレイのとなりの大きなシャトー(1756年建設)を購入。醸造所&カーヴを建設(リフォーム)中。赤は除梗100%。木製大型醗酵槽で3週間醗酵。
天然酵母使用。