フィリップ・ロシニョール
ジョセフ・ロティで修業、ゼロからの出発 |
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ジュヴレ・シャンベルタンにフィリップ・ロシニョールが開業したドメーヌです。「ロシニョール」と名のつくドメーヌはいくつかありますが、それらと親戚関係ではありません。
実家は代々ジュヴレ村で農業を営んでいました。農業学校を卒業したころお姉さんがジョセフ・ロティと結婚、彼もそのドメーヌを手伝うことになりました。当初はただのお手伝いでしたが、5年間畑仕事と醸造を経験するうちに「ワインを造りたい」という想いはどんどん強くなり、1976年に19歳の若さで独立を果たします。親から受け継ぐ畑が無かったからこそ、取得する畑はより良い区画、ワンランク上の畑に接する区画を積極的に選んで入手してゆきます。AOCジュヴレに囲まれたAOCブルゴーニュの区画、フィサン1級に接するコート・ド・ニュイ・ヴィラージュの区画、マジ・シャンベルタンに接する1級レ・コルボーの区画等。「とにかく葡萄が大切。流行は追わない。」というフィリップは、熟成して美味しいワインを今でも造り続けている、わもての頑固職人的ヴィニュロンです。
最近は、ドミニク・ローランが樽でワインを購入しています。「たった1回の試飲でワインに点数をつけるなんておかしい。」とアメリカのワインガイド誌には批判的。現在ではジュヴレ村の栽培者組合のテイスティング長も務め、後進の指導にも尽力しています。また、28歳の息子さんも仕事を一緒にしており、将来も楽しみなドメーヌです。
本拠地ジュヴレ・シャンベルタンを中心に7AOC、7haを所有。栽培方法は厳格なリュットレゾネ。
2000年くらいから除梗比率を落としています。「除梗100%だと甘みが強すぎる。良く熟した茎を加えることで、ワインのバランスが良くなる。」
赤ワインはノンコラージュ、ノンフィルターで瓶詰め。