オリヴィエ・モラン
キンメリジャンを最大限にいかす「これぞシトリー」 |
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当主オリヴィエ・モランは、ラジオやナイトクラブのDJとして働いていましたが、1992年30歳のとき家族のドメーヌに戻りました。それは、シトリーのテロワールに誇りを持ってワインづくりをしていた祖父と父ミシェルの仕事を継ぐためで、彼自身シトリーのシャルドネが持つ優位性を見出していたからでした。
「フレッシュで、ミネラルに溢れ豊かなスタイルのワイン、バランス感に優れたシトリーのワインをつくりたいと願っている。これぞシトリーというワインを見せたい。確かにレジオナルのワインではあるが、プルミエ・クリュなどには羨ましさは持っていない。」
オリヴィエの妻ネリーは、この地域にある会社の重役を務めていましたがその役を譲り、現在では夫婦でドメーヌの仕事を精力的にこなしています。
ドメーヌでは、12haにわたってブルゴーニュの代表的な3品種(アリゴテ、シャルドネ、ピノ・ノワール)を栽培しています。
畑では、ブドウの根がワインを特徴付けるミネラルを土壌から得られるよう、根が深くまで伸ばせるように手入れをしています。具体的には、土壌微生物の活動を損なわせず活性化させるよう下草の刈り込みと鋤きこみをし、堆肥を使用
することで土中生物を有機的なアプローチでコントロールしています。さらに必要に応じて摘葉を行い、健康に熟した果実を得られるようにしています。
醸造所は半地下に作られており、重力システムで果汁やワインの移動ができるようになっています。醸造は出来る限り自然に行い、なるべく人の手が加わらないようにしています。機械での温度コントロールを嫌い、自然の外気温で冬の
間に酒石をだします。酵母は自然酵母を使い発酵をゆっくりとすすめ、シトリーが本来持つ複雑さと方向性により焦点があたるようにし、除酸、補酸を行わず、濾過もほとんどせずに瓶詰めしています。
白ワインにおいては、選果後圧搾し、木樽とステンレスタンクで醗酵・熟成。キュヴェ・オリンプのみ膨らみをワインに与え、木樽の香りが過度につかないように600L樽で澱と共に熟成されます。